川崎暗渠狂想曲【旧平瀬川編】③
2011年 03月 07日
訪問日:2010/11/28
欄干の残っていた橋跡の脇にあった細道を進みます。
こんな一段だけの小階段を降りて先へ進みます。
すれ違えないほど細い!
ゾクゾクします。
川跡自体は砂利道と化しています。
この奥を右へ曲がっているようです。
川跡上を通れないので、回り込んでみると、こんなコンクリート蓋暗渠となっていました。
右が下流方向。
暗渠上で左(上流)方向を見たところ。
私有地っぽくて入っていけません。
右(下流)方向がこれ。
ん?
蓋暗渠の先の感じは、何となく・・・
やはり開渠となっていました!
いやー、下の方には水が流れていたんですね。
完全に涸れたものとばかり思っていましたが。
開渠の上はやはり通れないので、また回り込んでみると、ここが続きの場所となっていました。
左(上流)方向を見ると、立ち入り禁止のよく分からない状況となっています。
右(下流)方向を見ると、ここからは「二子坂戸緑道」となっていました。
普通の公園となっており、暗渠という感じはしません。
細長い公園が延々と続きます。
どこまでも。
木なんか植えられちゃってます。
一般道を横切り、
うーむ、ここは左側が一段低くなっています。
どこが暗渠の位置なのか分かりません。
ここで「二子坂戸緑道」は終わりです。
すぐ左には二ヶ領用水が流れています。
二ヶ領用水の対岸から見ると、合流口らしきものが開いています。
川崎堀旧流路は、ここから先は痕跡もなさそうなので、ここで探索を終えようと思います。
さて、ついでに真っ直ぐに付け替えられた新平瀬川の方もなかなか面白いので、少したどってみたいと思います。
南部線の線路を越えたあと、こんな風に山の中に突っ込んでいきます。
津田山の丘陵のどてっ腹を貫通していく新平瀬川。
よく考えるとすごい光景です。
なお、入口の真ん中に仕切りのようなものが見えますが、当初の新平瀬川は右側だけでした。
開通したあと、洪水の被害が出たために、流路を広げて、左の新しいルートを造ったようです。
この新平瀬川開削のためかと思いますが、ここらあたりはかなりの急傾斜地になっています。
これは左側の崖上の住宅。
また、これは左岸に設けられた排水口。
川の左側を通っている時、ジョボジョボとかなり大きな水音がずっと聞こえていました。
細い流れのように見えますが、結構な水量で、高さもあるのでかなりの音を立てていました。
さて、津田山の反対側に回ってみると、山の直前で仕切りで分かれていた2つの流路が、山を出た瞬間にこんな形で合流していました。
この場所は、実は久地円筒分水のある所です。
対岸を見ると、二ヶ領用水からサイフォン方式で新平瀬川の下をくぐる現場が見られました。
二ヶ領用水は、奥の方からやってきて、まさに撮影位置の足の下を通り、撮影位置の背後にある久地円筒分水に流れ込んでいるはずです。
この写真中央の水がたまっているところの真下が、手前の川の下の位置まで掘り下げられています。
少し撮影位置を右にずらすと、二ヶ領用水から新平瀬川へ余水を流しているところ。
ずいぶん大量に水を捨てているんですねえ。
後ろを振り向くと・・・これが有名な久地円筒分水です。
平瀬川をくぐった水がこんなにたまっています。
この久地円筒分水については、あとでご紹介することにしましょう。
次の見所は、いきなり多摩川との合流地点です。
これは監視塔でしょうか。
これが新平瀬川が多摩川に合流するところ。
しかし、何となく変な感じ。
左側の新平瀬川の水面と、右側の多摩川の水面の高さがかなり違います。
何かでせき止めているようです。
また、水の一部は、左に見えるスリットのような所から、右のスリットまで迂回して流されているようです。
もう少し近づいてみると、ゴム素材のようなものでせき止めています。
一瞬、ゴム素材の内部から水が噴き出しているように見えますが、上を通っているだけみたいですね。
反対側から撮ってみました。
堰の上は鏡のように静かな水面が、堰の下では波立っているのが印象的です。
いかがでしたか、平瀬川。
新流路も旧流路もなかなか面白かったですね。
by ankyo-nekomatagi | 2011-03-07 19:21 | 川崎市の暗渠