「V字坂の聖地」馬込を歩く①

大田区馬込。
ここは、私が密かに「V字坂の聖地」と呼んでいる所です。
地形的にすごいんです、ここ。
V字坂の宝庫。
大地の営みをこれほどダイナミックに見せてくれる場所がほかにあるでしょうか。
とにかくすごい。
馬込。

なんだかのっけから興奮気味に紹介していますが、何のことを言っているかさっぱり分からない方もいるでしょうから、まずは「V字坂」がどんなものかのご説明から始めたいと思います。

ちなみに、私は「V字坂」ファンです。
「V字坂マニア」、「V字坂おたく」、「偏執的V字坂愛好者」と呼んでいただいても構いません。
とにかくこの地形が気になるんです。

まずは「V字坂」がどんなものか見ていただきましょう。
こんな感じの光景です。
(世田谷区羽根木1-31)
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どうですか。
道が真っ直ぐに下っていった後、まっすぐに上っていくこの光景。
地形のダイナミックさを感じませんか。
(北区赤羽西4-40)
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この道が作る形が「V字」になっているので、「V字坂」と呼んでいます。
この「V字」の角度が急なほど、そして高低差が大きいほど、迫力があってポイントが高いですね。
(大田区上池台4-39)
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これなんかどうですか?
どこまでもまっすぐに進むV字坂。
向こうの坂の上が遠くにかすんで見えません。
しかも、谷が深くて谷底も見えない。
大変にスケールの大きい名V字坂です。
(目黒区柿の木坂2-4)
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このV字型の谷は、ほとんどの場合、川に削られてできたものです。
したがって、谷底に降りると、かなり高い確率で暗渠に出会うことができます。
祐天寺駅近くのこのV字坂を降りてみると・・・
(目黒区区五本木1-12)
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ほらっ、暗渠です。
これは蛇崩川(じゃくずれがわ)の支流。
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全体が逆S字型のこのV字坂。
すごく良い感じ。
このV字坂も降りてみると・・・
(練馬区旭町3-3)
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うわー、暗渠以外の何者でもないという紛れもない暗渠。
かっこいい。
ここは白子川の支流。
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こんな風に若干曲がりくねって多少見通しが悪くても、それも味というものです。
(港区元麻布3-7)
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ここは名前のついたV字坂。
「薬研坂(やげんざか)」と言います。
薬研(やげん)とは、薬を砕く道具のことで、真ん中が凹んでいる形をしているらしいです。
ああ、見事なV字ですねぇ。
この坂に名前が付けられているのもうなずけます。
(港区赤坂4-17)
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向こう坂の上が見えなくてもいいんです。
逆にどこまで上り坂が続いているか期待がふくらみます。
「チラリズム」的な感覚ですかね。
(渋谷区桜丘町3-22)
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V字の角度がゆるく、うっすらへこんでいるだけの場所もあります。
でも油断しないで下さい。
そこが谷の始まりかも知れないからです。
この写真の先に見えるかすかにへこんだ所まで行ってみると・・・
(板橋区赤塚3-1)
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左側がこんな風にガクンと落ち込んでいます。
先ほどのうっすらした凹みは、こんな深い谷の始まりだったんですね。
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上の写真の突き当たりまで行って左の坂を上がってみると、こんな景色。
V字谷がここまで進化しています。
すごいですね。
この暗渠については、lotus62さんが詳しくレポートされています
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どうですか。
楽しいですか?
ちゃんとついてきてますか??

それでは、ここからさらに連発でV字坂をご覧いただきましょう。
きっとV字坂を好きになるかも知れません。

高低差がハンパない。
(大田区田園調布5-14)
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一直線のアップダウンがV字坂心をくすぐる。
(世田谷区玉川田園調布2-15)
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身をよじるように曲がったV字坂。
(文京区白山5-29)
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右は西日暮里駅。
(台東区西日暮里3-5)
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右は原宿駅。
(渋谷区神宮前1-18)
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奥の小学校の位置が高い!
(豊島区中落合2-11)
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奥の上り坂が急。
左は都電。
(豊島区雑司が谷2-28)
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さて、V字坂に慣れていただいたでしょうか。
気持ちが悪くなってきましたか?
困ったな。
とりあえず解説に戻りましょう。

坂が急すぎる場合は、階段になっていることもあります。
この写真は、ちょっと暗いですが手前の坂が階段。
(世田谷区等々力1-26)
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両側の坂が階段になっている場合は、業界用語(?)で「V字階段」と言います。
もっとも、このV字階段は、真ん中だけ階段で、車も通れそうです。
(世田谷区北沢1-3)
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人しか通れない「純粋V字階段」ならこれ。
この「純粋V字階段」はめったに見られないレアものです。
(板橋区赤塚5-11)
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このV字階段は、高低差もあまりなく、特徴がないように見えるかも知れませんが・・・
(豊島区中落合3-13)
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下まで降りると、左側にもう一つ階段が!
三方階段です。
実は、ここは階段業界(??)では有名な場所で、なおかつ出口のない谷、すなわち第一級スリバチでもあります。
右側も階段だったらパーフェクト達成ですが、残念ながら緩やかな上り坂となっています。
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さて、たくさんV字坂を見てきましたが、実は東京にはV字坂が無数にあります。
東京の複雑な地形と、網の目のように張り巡らされた道路が、V字坂を多く生み出したのですね。
しかし、V字坂が「まとまって見られる場所」と言えば、馬込をおいてほかには思い当たりません。
馬込は特別な場所なのです。

さて、どうでしょうか、皆さん。
ここまでついて来れましたか?
後続ゼロ、一人旅ってことはないですよね?

大いなる不安を抱えつつ、次回はいよいよ聖地馬込に乗り込みます。
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# by ankyo-nekomatagi | 2010-11-04 19:16 | その他もろもろ | Comments(4)  

旗の台の暗渠をたどる

今回は、旗の台の駅近くで見つけた暗渠をご紹介します。
この日は別の用件ですでに長時間歩き、体ボロボロの状況でしたが、意外なものを見つけてちょっと興奮しました。

訪問日:2010/10/23

この暗渠は商店街に出てそのあとは追えなくなりますが、商店街の写真を撮っていませんでしたので、以前に撮った写真で。
2009/3/21に撮影した旗の台駅前「稲荷通り商店街」の写真。
この写真の奥の方の左手から出て来ます。
商店街は先の方で中原街道にぶつかります。
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「稲荷通り」の由来と思われる「伏見稲荷神社」。
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こんな立派な鳥居がありましたが、小さな祠が一つあるだけです。
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ここからが本題。
夕方16時50分頃なので暗い。
今の商店街に面した場所にちょっとした幅のあるコンクリ蓋が見えます。
ここより左手前方向は普通の側溝の幅になり、どこへ続くのか分かりません。
最終的には近くにある立会川に注ぐのでしょう。
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この柵の中から出てきているようです。
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柵の奥はコンクリート蓋が続いています。
向こう側に回ってみます。
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反対側へ回ってみました。
この柵へ出てきています。
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奥の方は先ほどの商店街。
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振り向くと、苔に覆われたコンクリート蓋が続いていました。
奥に白い柵が見えます。
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白い柵の手前に出られるポイントがありました。
このあたりは誰も通らないらしく、苔の生え方がすごい。
さらに先の方には緑色のものが見えます。
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さらに回り込むと、この緑色のマットに続いていました。
マットの下はたぶんコンクリ蓋。
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振り向くと、また柵!
終始私有地の中を続きます。
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奥をよく見てみると、植物が生い茂っているようです。
よく分からない。

そして、コンクリ蓋の穴が真ん中に来ていません。
蓋にかぶさるように塀を建てちゃったのでしょうか。
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また回り込んでみると、植物が邪魔をして先が見通せませんが、
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足元にはコンクリ蓋が続いてきています。
どこまで追えるのでしょうか。
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振り向いてみると、微妙な舗装の道が続きます。
先は行き止まりで、その右手は駐車場のようです。
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右から回り込んでみると、駐車場がありました。
思い切って入り込んでみました。
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駐車場の奥で左方向を見ると、おお、さっきの道です。
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足元をコンクリ蓋が続きます。
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先の方はまたどこかへ潜り込んでしまいます。
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また回り込んでみたのですが、もう5時を回ってしまいました。
暗くて写真が不鮮明ですが、コンクリ蓋のようです。
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また振り向いてみると、こんな変な細い溝のある道が続いています。
私有地のようですが、別に通ってもよさそうです。
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溝は途中で終わっていました。
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門を経て環七通りに出ます。
これより先はちょっと痕跡はなさそう。
環七を越えて確認する気力と体力はもう残っていませんでした。
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この門までで今回は終了です。
機会があれば上流、下流とももう少し探してみたいと思います。
直接暗渠上を歩ける場所がほとんどなく、回り込み回り込みさせられるのがかえって楽しいルートでしたね。
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おまけ。
近くで見かけた坂道のガードレール。
片側が地面にめり込んでる。
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今回のルートです。

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# by ankyo-nekomatagi | 2010-11-02 20:08 | その他東京の暗渠 | Comments(0)  

貴船神社の暗渠をたどる

先週の土曜日に大田区大森東の貴船(きぶね)神社に行ってきました。
いやまあ、わざわざ行ったというよりも、通りかかってしまったという感じなんですけども。
namaさんの記事でこの暗渠の夜の写真が紹介されたのは覚えていました。こちらの記事で見た通りの光景に出会えました。
訪問日:2010/10/23

ここが貴船神社入口。
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本殿の前まで行くと、ありました!
石でできた太鼓橋。
ただのオブジェみたいに見えますが、この下は本当に川、というか水路だったんですね。
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この橋を左側から見たところ。
奥に手水場が見えますが、その下を通っているようです。
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境内の外に出て続きの位置を見ると、こんな風に続いています。
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振り返るとこう。
どこまで続くのか。
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ちょっと進んで振り返ってみました。
この参道の右側の家の窓の1つが特殊加工をしてあり、暗渠に緑の光を反射しています。
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参道が終わるところでカックンと曲がっています。
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空き地の脇を通って、先を右折しています。
左に橋跡がありますが、橋の名前などは書いてありません。
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反対側から見ると、鉄柵の跡だけが残っています。
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先へ進むと、空き地の脇を右折。
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その先は車止めが短い距離に多数設置されています。
暗渠マニアにとってはなかなかの良い眺めですよ。
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まっすぐ進んで、
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ここで貴船堀に合流して終わりとなります。
こちらは下流方向だったと思われます。
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これが貴船堀緑地。
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出発点に戻り、逆方向を見ます。
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下り方向と同じく、境内を変な場所から出ていきます。
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外から見てみると、こりゃ親柱跡か?と思いましたが、「車馬止」と書いてあります。
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この先は、正面のこっちへ進むのかな。
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右へ曲がるとこんな感じで、暗渠のような気がしなくもない。
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しかし、gooの昭和22年の航空写真を見ると、曲がらずにまっすぐ進んでいたようです。
訪問時はこれに気づかず、右へ曲がっていってしまいました。
そうと知っていれば侵入する方法も考えたかと思いますが・・・。
少なくとも回り込んではみるべきでした。
結末が情けなくなって悲しい。
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これはおまけ。
貴船神社入り口の近くにあった小マンホール群。
小さいのが14個、大きいのが3個見えます。
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今回のルートです。

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# by ankyo-nekomatagi | 2010-11-01 20:55 | その他東京の暗渠 | Comments(6)