「中川七曲がり」に併走する暗渠をたどる
2011年 02月 25日
もう半年以上も前に訪問した古いネタなのですが、探索に不備が多かったのでアップをためらっていました。
しかし、あまり時間が経つと古い情報になってしまうので、とにかくお出ししてしまうことにしました。
葛飾区、江東区を流れる「中川」は、荒川放水路の開削で真っ二つに分断されたり、まっすぐに南下する流路に付け加えられたりと、さまざまな治水工事を経てきていますが、今でもくねくねとした古い流路が残っているところがあります。
それが「中川七曲がり」です。
葛飾区青戸あたりから、
「七曲がり」という言い方は、「何回も曲がっている」ということを示すだけの場合もありますが、数えてみると、中川の場合は本当に七回曲がっています。
その「七曲がり」の南側に、ほぼ平行な流路をたどる暗渠がありました。
今回はそこを東からたどっていくことにします。
訪問日:2010/6/20
これがスタート地点。
・・・のつもりでしたが、古い地図を見ると、少し位置がずれていたようです。
でも、この広い道は違和感たっぷりで面白い。
ここもまだ暗渠じゃありませんw
この先の左から合流してくる道がかつての水路のようです。
この道の左の歩道が暗渠と思われます。
正面に見える住宅の両側が道路になっています。
右側の道は、かつての家の玄関口だったのでしょう。
左の道は、車止めで始まっていました。
こちらを進みます。
細い道が続きますが、道の右側の建物の右はすぐに先ほどの道となっています。
つまり、スタート地点からずっと建物1軒の幅を隔てた二本の道路が併走しています。
ここは建物がないので、両方の道路を見ることができます。
これがずーっと続くのが面白い。
これは土台付きの車止め。
広い平和橋通りに出ました。
そして・・・
コンビニのすぐ右に興味深い物件が写っています。
分かりますか?
ここで右を見ると、大きな鳥居がありました。
「天祖神社」。
先ほどの「興味深い物件」がこれ。
石造りの橋跡!
なかなか見事なものですねえ。
歩行者の通行のためか、真ん中だけくり抜かれています。
それが残念と言えば残念ですが。
橋名は「天神前橋」。
先ほどの神社にちなんだ名前のようです。
あまり感動したので、反対側からも1枚。
さて、ここから先も建物1軒を隔てた二本の道路が続いていきます。
黄色い一本の車止めが続きます。
ちょっと開けたところに出ましたが、まだ道路の併走が続いています。
さらに進むと、ここでは、支流が左から合流していました。
暗渠のT字路です。
そして、いつの間にか、暗渠は右の道に移っているようなのでした。
道路の併走は続いているのに、なぜか暗渠の位置がチェンジしています。
そしてこれが延々と続く。
ここでいったん道路にぶつかります。
gooの航空地図を見ると、流れの一部はここで直角に右に折れ、そのまま中川に注いでいたようです。
ぶつかった地点から少し左にずれた位置からまた再開しています。
ここは真ん中の建物が撤去されているようで、側溝の位置が変なことになっています。
建物1軒を隔てた併走が続きます。
残念なことに、ここからは暗渠っぽさが失われてしまいます。
なぜかここだけ右側が崖になっています。
そして、ここで完全に見失いました。
gooの古い航空写真などを見ても、この先はどこへ向かうのか分かりませんでした。
最後がちょっと情けない感じになりましたが、でもここまでがなかなか雰囲気があってよかったので、よしとしましょう。
今回のルートです。
以下、2012/1/30追記です。
天祖神社脇に橋跡があるというコメントをいただいて、確認に行ってきました。
訪問日:2012/1/28
これです、これ。
昔仕様の小規模太鼓橋です。
ありましたねー。
左が下流方向です。
下流側から撮ってみました。
鳥居のすぐ内側にありました。
ここで振り向くと、道路の向こうへと暗渠道が続いています。
この辺りは、暗渠が複数流路になっていて、片方しか追っていなかったのですね。
それで大事なものを見逃していました。
いい加減にもほどがありますね。
お詫びに神社にお参りして謝っておきましたよ。
橋跡の近くには、人慣れした神社猫もいました。
ほかにも2匹。
伸びしてる方は、このあと私の指にじゃれて遊んでいました。
このニャンコたちに会えたので、再訪したかいもあったというものです。
また、この流路をさかのぼってみると、こんな突き当たりで唐突に終わっていました。
宅地化で分流地点はすでに失われているようです。
知らなかったー。
ゆ さんにいただいたコメントのおかげで、いい加減なこのサイトも、少しはほころびを繕えそうです。
ありがとうございました。
by ankyo-nekomatagi | 2011-02-25 21:15 | 江戸川区・葛飾区の暗渠