白鳥の高射砲陣地の痕跡を見に行く
2012年 10月 04日
お目当ては、書籍『東京の「痕跡」』(同文舘出版、遠藤ユウキ著)の106~107ページに書いてある「高射砲陣地」です。
この本に刺激されて、行ってみました。
なお、「高射砲」とは陸軍の対空火器(つまり地上から航空機を打ち落とす大砲ですね)で、太平洋戦争の時に多数設置されました。
画像検索すればいくらでも出てくるので、イメージできない方は確認していただきたいと思います。
訪問日:2012/8/4
下の画像は、国土地理院の国土変遷アーカイブ空中写真閲覧システムの昭和24年の航空写真。
現在の住所は、東京都葛飾区白鳥。
当時は「青砥高射砲陣地」と呼ばれていたようです。
ここに、半円形に配置された高射砲陣地が見えます。
分かりますか。
分かりやすいように印を付けてみました。
きれいに半円形に6基ずつ、計18基が設置されています。
これは現在のMapionの同じ場所の地図。
縮尺を合わせるため、少し縮小しています。
印を重ねてみました。
当時は畑や空き地の中にあったものが、今では住宅街の中にあります。
これらを1個ずつ探索していくわけですが、マンションなど私有地の中に位置するものは、確認のしようがありません。
いえ、正式に取材を申し込めば確認できるのかも知れませんが、ワタクシそこまで根性がありませんので、表から見えるものだけを探してみました。
最初はこれ。
上記書籍『東京の「痕跡」』にも掲載されている、駐車場内の痕跡です。
何ともくっきりした痕跡ですね。
なお、奥に見える青い建物が、その隣の高射砲の位置。
上の駐車場内高射砲の位置です。
赤い矢印のところ。
青い建物はその1つ上です。
ちなみに、青い建物に来てみると、土台のコンクリートがやけに気になるのですが、どうなんでしょうか。
新しいコンクリートに見えますので、関係ないかも知れません。
次に見つけたのはこれ。
この集合住宅の奥に、
こんなのがありました!
丸いコンクリート。
これは当時の痕跡に間違いないでしょう。
ちゃんと奥まで丸くなっています。
左の方は、隣の建物の一部になってしまっているようです。
集合住宅の奥にこんなのがひっそりと隠れてましたよ!
今の痕跡はこの矢印の位置。
次は、これも『東京の「痕跡」』に掲載されている物件。
上の物件の隣の位置です。
道路に面しているから見つけやすいのですが、丸い陣地が切り取られて断面が見えている、という状況です。
この建物の土台として使われています。
これが今の物件の位置。
次は、駐車場の中に残っている物件。
コンクリートではなく、アスファルトで覆われており、はっきりそれとは分かりにくいのですが、位置的には間違いありません。
しかも、丸い取り付け部材の跡のようなものも見えます。
他のサイトで、金属の部材が見えている写真を見ましたので、おそらくそれがアスファルトで埋められてしまったのでしょう。
例えばこちらのサイトです。
http://www.lococom.jp/article/view/13116717/
駐車するには邪魔な存在ですから、仕方ないのかも知れませんね。
反対側から撮ってみました。
手前に四角いプレート状のコンクリートが見えていて気になります。
今の物件の位置です。
次の物件は私有地内を遠巻きから眺めなければいけません。
奥の軒下あたりのコンクリートがちょっと不自然に見えます。
上の写真を拡大。
コンクリートの土台となっており、丸みを帯びているようにも見えます。
中に入れればもっとちゃんと確認できるんでしょうが、それは今回は無理です。
この物件の位置はここ。
次は、ちょっとはっきりしない物件。
マンションの建物の真下に位置しているので、確認することはできないと思っていましたが、すき間から床下をのぞき込むことができる場所があり、こんな風になっていました。
やはりはっきりとは見えませんが、丸いコンクリートの土台のようなものが見えませんか?
上の物件の位置はここ。
そして、最後の物件がこれです。
この一般の民家の土台が実に怪しい!
このあたりではそろそろ“丸いコンクリート”に敏感になってきていました。
しかし、この物件の位置がちょっとはずれているんです。
下の6基の高射砲の位置ではなく、ちょうど“7個目”の位置になってしまうんですね。
おかしいなあ。
現地では間違いないと思えた物件なのですが。
謎です。
事前の予想以上にたくさんの痕跡が見つかりました。
面白かったですねえ。
しかし、今回入れなかった敷地内にはまだ残っているものがある、と確信しています。
どなたか調べてもらえませんかww
by ankyo-nekomatagi | 2012-10-04 17:54 | その他もろもろ