出井川をたどる①
2010年 09月 16日
今回は板橋区の出井川をたどるのがメインのテーマですが、その前に前回の宿題、前野川の支流をご紹介しましょう。
前野川の赤い矢印の位置に南から合流する支流ですね。
この谷もかなり急峻です。
前回最後に掲載した写真を再掲します。この右の道が暗渠ですが、早くも左手に急な崖が見えます。
(中台2-8)
先へ進むと、陰影図でお分かりかと思いますが、谷筋は二股に分かれています。
そのうち、南から来る方には暗渠らしき跡がほとんどありません。
なので、東の方から来る谷筋を追ってみます。
この先に進んでいいのか、と思わせるような裏道の雰囲気です。
事実、車はこの先で行き止まりですけどね。
右手の崖の高さが結構あります。
左側(右岸)の崖も階段で上がるほど急。
先に進むと道が細くなり、さらに高い崖が迫っています。
近づいてみました。
下の看板には「頭上落石注意」。
山道か。
その先の階段を上がって高台に出て終わりです。
短いですが、両岸の急崖が迫力ある支流でした。
さて、今回のテーマの出井川(でいがわ)に移りましょう。
地形陰影図はこんな感じ。
谷の幅が非常に広いのが特徴ですね。
ということは、急な谷の迫力は味わえなさそうです。
また、途中から川沿いに首都高速が通っていて下の道も広くなっているため、川跡がほとんど残っていない区間がかなり長い。
ということで、最初からあまり期待できないルートだろうと予想していました。
しかし、行ってみれば何か面白いものが見つかるかも知れません。
新河岸川への合流口からたどってみます。
(この陰影図には合流口は載っていません。この図の範囲のはるか上の方です)
ちょっと分かりにくいのですが、新河岸川にかかる新河岸橋からズームで撮った出井川の河口。
近くから撮れるスポットがないので、これが精一杯。
河口の裏に回ってみると、このように緑道が始まっています(フェンスの右側)。
この写真の奥の方が新河岸川です。
よく見ると、この写真に小さく水門が写っていました。
今思えばちゃんと撮っておけばよかったですね。水門。
緑道は中山道を横切ります。
中山道脇には橋の名称表示が。
「しんこぶくろはし」。
さらに先へ進み、ここは私の好きな「一般道と寄り添って歩道のような顔をしているけど、すぐ泣き別れになるポイント」。
こんな風に・・・
進んで行って・・・
志村三丁目駅の近くでは駐輪場になったり・・・
志村四中の脇を通ったりして・・・
首都高速5号の下を通る道路にぶつかります。
通りに上がるスロープの脇にはこんなマンホールが突き出ています。
通りを渡ると左に急カーブ。
間もなく支流の前野川との合流地点です。
これが前野川だっ!
(前回報告済み)
前野川との合流点を過ぎても左カーブが続き、高速下の通りに戻ってきてしまいます。
その後はよく分からなくなります。
道を横切って、ここに出てくるのかも知れません。
こんな側溝があって怪しいけど・・・。
この側溝が出井川じゃないよね!
おっと、側溝は真横にそれてしまいました。
関係なかったようです。
不明部分はばっさりカットして、見次(みつぎ)公園まで来ました。
出井川の源流の1つとされている所です。釣りもできます。
今でも池の水は湧水でまかなっているということですが、本当でしょうか。
(疑ってどうする)
子供の頃、1回だけ父親に連れられて遊びに来たことを思い出します。
なお、この池は名前で呼ばれることがほとんどなく、せいぜい「見次公園の池」か、あるいは単に「見次公園」と呼ばれています。
池の名前が「見次公園」?!
この池が公園の大部分を占めているせいで、どっちか分からなくなったのでしょうか。
そもそも正式な池の名前がわかりません!(「見次池」なんでしょうけど)
さて、出井川の上流端はもうすぐですが、その途中で見つけた唯一の川跡の痕跡と思われる物件。
道と建物の1階の段差を結ぶ階段。
高さが3段半くらいあります。
普通の狭い暗渠ならよく見かける光景ですが、この広い道沿いでは相当な違和感です。
ここから人が出入りしているところを見てみたい。
高速の下の広い通りをさらに先へ進むと、右手に突然暗渠っぽい道が現れます。
地名表示を見ると、その名も「泉町」!
ここが最終目的地である「出井の泉」への入口です。
なんか急展開で、心拍数が急上昇します。
これまで長い道をたどってきたのですが、整備された緑道だったり、高速の下で痕跡がなかったりと、暗渠ファンにとっては妙味に乏しいルートだったと言っていいでしょう。
しかし、このあとこれまでの行程のすべてが報われる圧巻の光景が待っていました。
次回に続きます。
今回のルートです(出井川のみ)。
# by ankyo-nekomatagi | 2010-09-16 18:53 | 新河岸川系